PCBとは

PCBとは

PCBとは、ポリ塩化ビフェニル(Poly Chlorinated Biphenyl) の略称です。
炭素、水素、塩素からなる工業的に合成された化合物で、油状の物質です。

低濃度PCB廃棄物とは

PCBとは、ポリ塩化ビフェニル、またはポリクロロビフェニル(ビフェニルの水素原子が塩素原子で置換された化合物の総称)の略式名です。
1881年にドイツで初めて合成されたのち、日本では1954年(昭和29年)に製造が始まりました。
水に溶けにくい上に熱で分解しにくい、主に油状の物質です。また、不燃性で電気絶縁性が高く、耐薬品性に優れていることから、加熱や冷却用熱媒体、
変圧器やコンデンサといった電気機器の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の溶剤など、非常に幅広い分野に用いられました。
後に、生体に対する毒性【発癌性/皮膚障害/内臓障害/ホルモン異常等】が非常に高いことが判明し、日本ではその契機となった「カネミ油症事件」
1968年(昭和43年)以降、1972年(昭和47年)の生産・使用の中止等の行政指導を経て、1975年(昭和50年)に製造および輸入が原則禁止と
なりました。
しかし時を経て2002年、そのPCBを使用していないはずの電気機器の絶縁油に、微量のPCBが含まれている事が判明しました。
この非意図的な混入の原因は、再生油や製造工程などで混入したものと考えられていますが、未だ、正確な解明はされていません。
現在、低濃度PCB廃棄物と呼ばれるものは、この非意図的な混入で汚染された廃棄物と、PCB濃度が0.5~5,000㎎/㎏の廃棄物のことです。

低濃度PCB廃棄物を所有する事業者様は2027年(平成39年)3月31日まで、それらを自ら処分するか、処分を他人に委託しなければなりません。

PCBの構造

PCBの構造は、保有する塩素の数やその位置の違いによって、理論的に209種類の異性体が存在しています。
異性体のうち、より毒性の強い種類が、コプラナーPCBといわれ、ダイオキシン類に指定されています。

PCBの特性

PCBには、以下のような特性があります。
●水に極めて溶けにくく、沸点が高いなどの油状の性質をもつ。
●熱で分解されにくく、酸やアルカリに安定など、化学的に安定している。
●電気絶縁性、不燃性に優れている。

PCBの毒性 環境への問題

PCBは、慢性的な摂取によって、徐々に体内に蓄積し、さまざまな症状を引き起こすことが報告されています。
PCBの中毒症状には、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、座瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節のはれ、肝機能障害などがあります。
また、PCBが環境中に放出された場合、さまざまな影響が考えられます。
物理的、化学的性質から、環境中で分解されにくく残留性が高いことから、食物連鎖で長い期間をかけて人体や生物に蓄積されます。
さらに半揮発性があるため、大気中を経由しての移動性も懸念されます。